本書は、平塚市博物館の建設に至るいきさつ、準備の経過、開館後の活動について記録をまとめたものである。年報の第1号として、建設準備の過程に重点をおき、建築・展示・運営の計画について、博物館学的資料となりうるよう編集した。開館後の事業については、特に教育普及活動を中心にまとめてみた。なお、紙面の都合で割愛した点も多い。
第2号以降の年報は、事業報告的な内容と、研究紀要的な内容をあわせ持ったものにしていく予定である。
はじめに
平塚市博物館は昨年5月1日に開館しました。まだ誕生日も迎えていないヨチヨチ歩きといったところですが、ここまでくるのに10年の歳月が流れています。
もともと建物が指名応募設計による入選作品であった関係上、具体的作業に入っての最初の難関は、考え方の力点をどこにおくかということからくる設計者側と準備室側との見解の相違でした。
また、内部の展示にしても、基本となる原資料を補いながら、ストーリーの組立ても並行的に進めるといった具合で山積する課題を一つ一つ克服していく作業の連続でした。
いよいよ建設という段階になったとき、石油危機に見まわれ延期せざるをえない状況にも追い込まれました。
ここに集録したものは、博物館づくりの過程と開館以来今日までの事業内容等を具体的な記録にとどめ、世の批判を乞い、足りなかった点を今後に補うために、全館員によってまとめたものです。
今までによせられた多くの市民の方々の力強い励ましと、郷土愛に支えられた大きな協力に対し深く感謝すると共に、前博物館建設準備室長 故島崎康信・同主任 故岩嶋皎一・前博物館建設研究調査委員 故吉野秀雄の三氏に対し、本書を捧げるものであります。
昭和52年3月
平塚市博物館
館長 菅 間 荘